階段をリフォームする場合は、安全を最優先で考えなければなりません。
20年以上経過している古い住宅の場合には、階段の傾斜が急であったり、手すりが設けられていなかったりします。
特に高齢者や、小さなお子様のいるご家庭においては、早急にリフォームすることをお勧めします。
■階段のリフォーム前に覚えておくべきこと
階段のリフォームをする前に、覚えておかなければならないことが「建築基準法」です。
階段の段には、安全面などを配慮した規定のサイズが、法律として定められております。
▽ 階段と踊り場の横幅75㎝以上
▽ 蹴上げ(けあげ:一段の高さ)23㎝以下
▽ 踏み面(ふみずら:足をのせる部分の奥行き)15㎝以上
上記は、最低寸法であり、守らなければなりません。しかしこの寸法で生活をするには、安全性などの観点から見ると、かなり問題があると言えます。
一般的な公共施設の場合は、蹴上げ15cm、踏み面30cmのところがほとんどですので、できることなら、なるべくこの値に近い数値でリフォームを考えたいところです。
■昇降しやすい階段にする
昇降しやすい階段は、蹴上げと踏み面のバランスによって決まるといわれており、その公式が以下の通りです。
蹴上げ×2+踏み面=60cm
ただし、階段のリフォームをする場合には、基本的に1階から2階までの高さと、距離が決まっているため、必ずしも当てはまるとは限りません。
また、階段の種類(直階段や折り返し階段など)によっても設計で大きく変わるため、階段のリフォームをどのくらいの規模で行うか考えておく必要があります。
■安全性を考える
大がかりな階段のリフォームを行わなくても、安全性を高めることはできます。
まず階段そのものの素材についてですが、踏み面の素材をカーペットや木製のような滑りにくいものに変えるだけでも安全性が高まります。
また、手すりを設けたり、足元を照らす照明を設置したりすることでも効果があります。
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階段のリフォームにかかる費用は、踏み面の素材や手すりの素材にもよりますが、10~50万円くらいが目安となります。
階段の勾配を緩める工事や、位置そのものを変えるなど、大規模なリフォームとなると、100~300万円くらいは見ておかなければなりません。
特に階段の位置を変える場合には、家を支えている柱や壁を取り壊し、間取りの変更も伴うため、階段だけのリフォームでは済まなくなります。
さらにリフォームの規模が、一定の基準を超えてしまうと、行政への申請が必要なため、リフォームをする際には、注意が必要です。