雪が積もる地域では、雪下ろしが非常に重労働であり、危険と隣り合わせの作業です。
毎年冬の時季になると、屋根の雪下ろしによる転落事故や、屋根から落ちてくる雪の下敷きになる事故が起きています。
雪国の住民は、どのような雪対策を行っているのか、雪下ろしをしない方法はあるのかを紹介していきたいと思います。
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雪は雨よりも軽いイメージがありますが、降り積もると想像以上の重量があります。
含む水分量により差はありますが、1㎡あたり1cmの雪が積もるとおよそ3kg、10cm積もると30kg、1m積もると300kgと言われています。
雨の場合には、流れてしまうため、まとまった重さにはなりませんが、雪の場合には、家に相当の重量がかかることになります。
積雪量が少ない場合には、雪が自然に解けてしまうため、雪を下ろす必要はありませんが、豪雪地帯のように、雪の量が多い地域は、雪を下ろさなければなりません。
雪下ろしが必要な理由は、屋根の形状が変わったり、家が倒壊したりするとも考えられるからです。
雪下ろしの作業を軽減させるには、雪を屋根に積もらせないことがポイントとなります。
雪に強い屋根の条件とは、吸水率が低く雨漏りしにくい構造であることが重要です。
水分が屋根に浸み込んだり、屋根の内側が湿ったりすると、屋根材を痛めてしまい、結果として屋根の耐久性を下げてしまいます。
主に雪国の屋根材には、金属屋根やガルバリウム鋼板が多く使われており、錆にくく耐久性があり、薄くて軽いことが特徴です。
雪下ろし対策として3つの屋根タイプがあります。
◇自然に落雪させるタイプ | |
屋根に勾配をつけることで、雪を自然に落とします | |
メリット | 電気や灯油などの費用がかからない |
雪がある程度積もると自然に落ちることで屋根に負担がかからない | |
デメリット | 屋根から雪が落ちた先の場所を確保しておかないとトラブルの原因になる |
落雪時に下敷きになるなどの危険性がある |
◇融雪させるタイプ | |
融雪システムで屋根に熱を持たせて雪を解かします | |
メリット | 雪を解かすため場所をとらない |
落雪の心配がなく安全 | |
デメリット | 電気代や灯油代などの費用がかかる |
停電などのトラブルで使用できなくなることもある |
◇雪の重みに耐えるタイプ | |
雪の重みに耐えられるように設計された強化構造です | |
メリット | 各市町村で異なりますが補助金が適用される場合がある |
構造上強化されているため雪だけでなく地震にも強い | |
デメリット | 屋根だけでなく住宅全体の強化を必要とするため費用が余計にかかる |
耐雪が主軸になっているため屋根や窓など好みのデザインにならない場合がある |
雪は積もったときよりも、解けはじめと凍結したときにこそ注意が必要と言われています。
屋根に積もった雪の対策はもちろんのこと、玄関先での転倒を防止したり、車に積もった雪の対策をしたりすることも忘れてはいけません。
大掛かりなリノベーションをしなくても、今からすぐにできる雪対策をまとめてみました。
融雪剤とは、雪や氷などを解かすことを目的とした顆粒、あるいは液状に配合された化学加工された薬物のことです。
主成分は塩化カルシウムであり、雪や氷を融雪するメリットはありますが、鉄製品や植物、コンクリートなどに悪影響を与える恐れがあります。
融雪剤は様々な種類のものがあり、使う場所や環境下により対応しているものを選ぶ必要があります。
融雪剤は雪や氷を解かすものですが、凍結防止剤は凍結温度を下げて、凍りにくくするものです。
路面の凍結を防ぐために必要で、転倒事故防止や雪かきの負担軽減などに役立ちます。
屋根に積もった雪を下から落とすことができます。
屋根に登らなくても雪下ろしができることがメリットですが、届く範囲は長くても5m程となるため、使う場所は限られます。
ゴムマット内部にヒーター線が埋め込まれており、マットを敷いてコンセントに繋ぐだけで手軽に融雪ができます。
凍結しやすい玄関先や、階段など凍結や転倒防止に使われています。
屋根に設置できるものもあるなど、種類も豊富です。
シート表面の抵抗力が低く、雪が滑り落ちることで雪の重みによる建物の負担を軽減します。
電気や灯油といったエネルギーを使うことはありませんが、雪質によっては滑りにくいこともあるようです。
融雪システムの中には、温水を利用したものもあり、解け出た雪水を汲みあげて循環させる方法などもあります。
また、ロードヒーティングと呼ばれる、車道や歩道に電熱線類または温水を循環させるパイプを埋設して、路面を加熱するものがありますが、家庭用の埋設しない小規模なロードヒーティングも普及しています。
雪国の住民にとって積雪は大きな問題であり、切り離すことのできない生活の一部となっています。
寒い時期を快適に生活していくためにも、雪対策を怠らないようにしましょう。