令和3年度補正予算案に「こどもみらい住宅支援事業」が盛り込まれ、2021年11月26日に閣議決定がされました。こどもみらい住宅支援事業は、子育て中の世帯や若い夫婦を中心に住宅購入の際に発生する費用の負担軽減が盛り込まれております。
ここでは、こどもみらい住宅支援事業が注目されている理由についてまとめております。
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子育て世代の住居購入負担軽減や脱炭素化の推進を目的とした制度のこと
こどもみらい住宅支援事業は、2050年カーボンニュートラルの実現の観点から、高い省エネ性能住宅や住宅の省エネ改修に対して補助していく制度です。消費者だけでなく住宅事業者にとっても注目されております。
こどもみらい住宅支援事業の目的
こどもみらい住宅支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯の住宅取得への負担軽減を図りつつ省エネ住宅を推進していくことを目的としております。
背景としては、成長と分配の好循環による新しい資本主義を起動させるためであり、新たな経済対策として考えられております。
こどもみらい住宅支援事業の対象と期限
対象となる事業は、新築住宅(注文・分譲)とリフォームになります。
対象となる期限は、2021年11月26日から2022年10月31日までに工事請負契約を締結したものであり、2022年10月31日までに着工することが条件となります。
※予算の執行状況により早期終了となる場合があります
各事業の補助金の対象は、契約する際の住宅事業者がこどもみらい住宅支援事業に登録されることが前提となります。
注文住宅の新築
子育て世帯または若者夫婦世帯が、高い省エネ性能を有する新築住宅を建築する場合に住宅の省エネ性能等に応じた金額が補助されます。
※子育て世帯は18歳未満の子を有する世帯であり、若者夫婦世帯は夫婦いずれかが39歳以下の世帯を指します。
新築住宅は、下記を満たす住宅が対象になります。
新築分譲住宅の購入
子育て世帯または若者夫婦世帯が、高い省エネ性能等を有する新築分譲住宅の購入をする場合に住宅の省エネ性能等に応じた金額が補助されます。
新築分譲住宅の購入は、下記を満たす住宅が対象になります。
リフォーム
所有者等が対象となるリフォーム工事をする場合に、リフォーム箇所に応じた金額が補助されます。
リフォーム工事は、下記を満たす住宅が対象になります。
- 開口部の断熱改修
- 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
※上記のいずれかひとつの工事は必須条件になります。 - 子育て対応改修
- バリアフリー改修
- 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- 耐震改修 (15万円/戸)
- リフォーム瑕疵保険等への加入 (7千円/契約)
1~8の補助額の合計が5万円未満の場合は申請することができません。
原則として、国の補助制度が他の補助金と重複する場合、併用はできませんが、一部併用ができるものもあるため、その際は住宅事業者に確認しておくと良いでしょう。
例として以下のものが併用できるとされております。
すまい給付金(最大50万円):
消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設した制度のことです。
住まいの復興給付金:
東日本大震災により被災された方が、住宅の再取得や被災住宅の補修の際に消費税率の引き上げによる負担を軽減するための措置のことです。
外構部の木質化対策支援事業:
規定の保存処理木材を活用した住宅の工事費用を補助する制度のことです。
こどもみらい住宅支援事業を受けるためには、契約・着工を行った上で交付申請を受ける必要があります。申請条件に着工が含まれていることも注意すべき点です。交付申請は2022年10月31日までに行う必要があり、契約のタイミングが直前の場合は時間に余裕がなくなるため、注意する必要があります。
また、こどもみらい住宅支援事業には限られた予算(542億円の予定)があります。2020年度に実施されたグリーン住宅ポイントが約1,100億円の予算であったことから、早めに予算がなくなる可能性があります。
省エネ住宅は、外皮基準(外壁や屋根などの断熱性能に関する基準)と一次エネルギー消費基準(冷暖房や照明などの住宅エネルギー消費量に関する基準)の2つの基準があります。
省エネ住宅をすすめる理由は、国が住宅分野の脱炭素化を加速させたい狙いがあり、それに関連した事業に支援していくことで、高い目標でもある温室効果ガス(CO2含む)66%削減を達成させたいからです。
今後の補助内容は、省エネ住宅を推進していくという国の方針からも、省エネ性能の高い住宅であるほど補助金額も大きくなることが想定されます。逆に省エネ性能を意識されていない住宅は、今後の支援を受けにくくなる可能性があります。
子育て世帯または若者夫婦世帯で新築住宅購入や改修等のリフォームをお考えの方は、こどもみらい住宅支援事業に登録されている住宅事業者へ問い合わせてみてはいかがでしょうか。